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タウンニュースARTICLE 一面記事

2016年3月3日号  

社会支える“相棒”

▲訓練の準備をする中野さんと盲導犬候補犬

全国盲導犬協会(ひたちなか) 盲導犬候補犬と指導員

 ひたちなか市東石川の全国盲導犬協会は、2年前に発足した本県で唯一の盲導犬訓練施設。施設長で歩行指導員の中野薫さん(62)は、月の半分ほどを施設に泊まり込み、盲導犬候補犬の訓練と世話に当たっている。
 かわいくて仕方ないという表情で犬の頭をなでながら、「視覚障害者の不便を少しでも解消しようと共に励む相棒」と話す。
         ◆
 候補犬が同施設に籍を置く期間は、通常2歳になるまで。1歳まではボランティアの家で過ごし、その後の1年間が中野さんらと一緒の訓練期間だ。
 訓練は、国際的な検証に基づいた合理的なものだが、それを経ても盲導犬として活躍できるのは、候補犬のうちの一握りだという。クリアすべき条件は多岐にわたり、「車酔いは?」「特別なアレルギーは?」など、体質的なものにまで及ぶ。
 「盲導犬であることを幸せに感じられる犬だけが、盲導犬になれる」と中野さん。犬はもともと献身的。その特性が特に強い盲導犬は、人間と密接な関係を持てることに、幸せを感じているはずだという。
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 同施設では現在、9匹の犬が訓練を受けている。そのうちの1匹は、順調にいけばこの春、“独り立ち”するという。
 卒業前の1か月間は、施設内で、使用者になる視覚障害者と一緒に暮らし、訓練に励む。それは犬にとって、最も厳しい心の訓練期間でもある。「急に、親が代わるようなもの」と中野さん。
 その訓練当初、犬は視覚障害者から正しい誘導をほめられても、ぽかんとして、中野さんの姿を探すという。少し離れたところで見守っている中野さんを見つけ、中野さんが「うん」とうなずくと、初めてほっとした表情を見せる。次の日、中野さんは犬との距離をさらに広げる。その距離は、日を追うごとに延びていく。
 「ある瞬間を境に、訓練犬が覚悟を決めて、視覚障害者を主人と認める。顔つきまで変わる」という中野さんの声は明るい。
 中野さんは、子どものころから犬が大好きでこの仕事を選び、これまで200匹以上の盲導犬を育てた。「昔は犬との別れが寂しくて仕方なかったけど、今は率直にうれしい。『社会のためによろしく頼むぞ』という気持ち」


■「盲導犬」メモ・・・盲導犬育成は多くのボランティアに支えられている。世話をするボランティアは大きく3種に分かれる。盲導犬の親になる繁殖犬の飼育、生後2か月から1歳ごろまでの子犬の飼育、訓練途中で盲導犬に向かないと判断された候補犬(キャリアチェンジ犬)の飼育。同協会は、これらを含め多くの協力を募っている。同協会TEL.029・275・3122。














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