▲つぼみが膨らんだ出荷直前のハナモモを持つ、石川さん(後列左)とメンバーら
ハナモモ生産農家(常陸大宮)
常陸大宮市小野にあるJA常陸・大宮地区枝物部会の枝物促成施設では、桃の節句を彩るハナモモ「奥久慈の花桃」の出荷が最盛期。3月1日までに、約11万束を東京などの市場へ出荷する予定だ。
出荷するに当たって一番苦労するのが、開花の調整だ。「購入者の手元に届いてから2、3日で開花するのがベスト。つぼみから開花までの様子も楽しんでほしい」と、部会長の石川幸太郎さん(69)。
出荷日から逆算して、生産者それぞれの畑で枝を切り、最後は共同の促成施設に持ち込んで温度をかけてつぼみの状態にする。開花が進みすぎる場合は、冷房に当てて冷やすことも。一日に何度も施設に足を運んで様子を見る。
今年から本格的に出荷する塩沢浩行さん(60)は、「最後まで気が抜けないが、花がかわいくて心が弾む」とほほ笑む。
同部会は、2007年に初出荷した新しい産地。2年ものの枝を出荷する産地が多い中、木肌のきれいな1年もので、花芽を多く付ける枝を育てるなど工夫を続け、市場の評価を上げた。
花の色は、ピンク、赤、白で、品種はオリジナルも含めた4種。「心を込めて育てたハナモモ。満開の花でお祝いしてほしい」と石川さん。