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2018年2月22日号

本当の居場所へ

▲野生復帰ができなくなったフクロウの世話をする粉川さん


鳥獣センターの野生動物(那珂)


 けがを負うなどして、県内各地で保護された野生動物が運び込まれる那珂市戸の県鳥獣センターにも、春に備え、春を待ち望む姿がある。けがが癒えて、野生への復帰を待つ動物たちと、動物たちを世話してきたスタッフらだ。
 冬鳥の代表格のハクチョウは、新春早々に放鳥された。年間を通して日本にとどまる鳥や、普通の動物たちにとっても春は、野生復帰の絶好の機会。エサとなる小動物や虫などが増えるからだ。
 間もなく放鳥されるというフクロウは昨秋、ネズミを捕獲するための粘着シートにくるまった状態で保護された。粘着シートに貼り付いたネズミを食べようとして、自分も貼り付いてしまったという。
 同センターボランティアの粉川亜由美さん(26)は、そのフクロウが運び込まれた当初から世話に当たった。粉川さんはボランティア歴4年。近年は勉強の一環で、野生復帰ができなくなったフクロウを自宅で世話している。
 自宅で飼っているフクロウには「ぽっぽ」という名前を付けて、家族のように触れ合うが、野生復帰を目指すフクロウとは、目を合わせることもしない。「人間に慣れた野生動物は幸せになれないから」ときっぱり言う。
 隣接する県植物園で、ぽっぽと来園者の触れ合いの機会をつくることがある。粉川さんが来園者に願うのは、触れ合いを楽しんでもらうことだけではない。「野生動物の本当の幸せは?」「そのために人間にできることは?」。これらを考えてもらいたいという。「そのきっかけになれれば、ぽっぽも少し報われる」と粉川さん。











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