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2018年3月8日号

海を越えたビート

▲素早いスティックさばきで演奏する仲本力也さん


20歳のドラムチャンピオン(笠間)


 昨年10月、インドネシアで開かれたマーチングバンドのアジア選手権。ソロテナードラムの部で優勝した笠間市八雲の仲本力也さん(20、介護職)は、大観衆に見守られた表彰台の上で、「これが僕の進むべき道だ」と思ったという。思い描いてきた表彰台とは別のもの。「でも、自分で選び、結果を出したうれしさが、迷いを打ち消した」
 テナードラムは5つの太鼓を操るマーチングバンドの花形楽器。
 全国に知られるマーチングバンドの名門、県立大洗高校の先輩に、同じテナードラムを担当した兄、克也さん(29)がいる。克也さんは高校卒業後、マーチングバンドの本場のアメリカに渡り、トップバンドの一員になった。当時、克也さんが残したソロテナードラム世界3位という成績は、今も日本人の最高の記録だ。
 高校入学当時から、卒業後はアメリカで「兄を超える」と決めていた。誰もが認める技術を身につけ、アメリカのマーチングバンドへの加入が決まった後に壁に当たった。何度申請してもビザが発給されなかった。マーチングバンドへの加入など、一般的な渡航目的から外れるケースで、時折起きる不運だという。
 アメリカのマーチングバンドへの挑戦には、21歳までという年齢制限がある。焦りといら立ちもあって、自暴自棄になりかけたころ、アジアのマーチングバンドの盛り上がりを知り、「心臓が高鳴った」。克也さんに相談すると、「アジアを驚かせてやれ」と、強く背を押してくれた。
 いま、力也さんにはアジア各国のマーチングバンドから勧誘があり、SNSの閲覧者も国境を越えて増えている。
 連覇を誓って練習に励む一方、力を入れるのが兄とのユニット「ブラザービーツ」の演奏活動だ。
 「兄と肩を並べて演奏するうれしさは、アジアチャンピオンになった時と変わらないから」と力也さん。















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