漁師秘伝の味
冷凍生食用シラス「海の輝き」 茨城県生しらす生産者協議会
03 漁師秘伝 生食用シラス
【日立】 シラスは、釜ゆでしたものが一般的だが、生のままもうまい。鮮度の低下が早いため、産地でしか味わえなかった生のシラスのおいしさを、広く味わってもらおうと開発された商品が、「海の輝き」だ。
県内4つの漁業協同組合でつくる「茨城県生しらす生産者協議会」が、県水産試験場と協力して鮮度保持技術を開発し、2012年から販売。4漁協のうちの一つ、日立市久慈町の久慈浜丸小漁協は、昨年は4トンの生食用シラスを生産。大手スーパーのギフト商品にもなるなど、売り上げを伸ばしている。
同漁協は、青年部を中心にした10人の漁師が生食用シラスの生産に取り組んでいる。船上で「企業秘密」という処理を施し、加工場では、電解水でシラスを洗浄したり、異なる魚介類をピンセットで一つ一つ取り除いたりして、真空パックにして急速冷凍する。「漁師たちの丁寧な仕事があってこその商品」とは、同漁協参事の今橋一也さん(54)。
流水につけて解凍し、おろしショウガやわさびじょうゆで味わう。張りのあるプリプリした食感で、甘みがある。
同漁協の直売所(営業は平日のみ)で販売するほか、電話かファクスで通信販売もしている。1パック100g入り700円。同漁協TEL.0294・52・2066。
園芸愛好家が開発
芝生用草取り鎌「シバクイーン」 ひたちなか市・パッション飛田
04 爪が特徴 草取り鎌
【ひたちなか】 ひたちなか市長砂の飛田忍さん(73)が開発した「シバクイーン」は、芝生用の草取り鎌。15年に特許を取得、16年にはいばらきデザインセレクション入賞、17年には福岡デザインアワード入賞。発売から3年で、6800本が売れた。「従来品より5〜10倍速く取れます」と胸を張る。
開発は、友人から「庭の芝生の草取りに困っている」と相談を受けたことがきっかけ。園芸愛好家で、会社員時代は技術系の仕事をしていて手先が器用な飛田さんは、自身で開発してみることに。
試行錯誤して4年が過ぎたころ、盆栽道具の根かきを見て、「爪の先端を閉じてみたらどうか」と思い付いた。爪の本数を変えたり、爪の長さ、並び方をさまざまに変えて実験したりして、約1年後に完成させた。
個人生産で発注数が少ないため、部品を作ってくれる工場探しも一苦労。口金は兵庫、びょうは岐阜で製造、部品を組み立てるのは飛田さんの仕事だ。
「大変だった草取りが楽になった、草が簡単に抜けるので作業が楽しいなどと、喜んでもらえるのが何よりうれしい」と飛田さん。1本1950円。パッション飛田TEL.029・285・6864。パッション飛田のホームページからも購入できる。