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2019年5月16日号

伝統の作務衣とあやめ笠

▲「ろ舟に乗って、一緒に潮来を楽しみましょう」。土子さん(左から2番目)、眞家さん(同3番目)と、男性船頭の山名勝さん(左)、矢萩忠男さん(右)

潮来・ろ舟遊覧運航の娘船頭

 手こぎで進む木製の舟「ろ舟(ぶね)」に乗って川を遊覧する「ろ舟遊覧運航」は、潮来市で5月25日に開幕する「水郷潮来あやめまつり」の観光名物の一つ。ろ舟をこぐ女性船頭「娘船頭」のユニホームは、作務衣と、赤色の帯に、イグサで編んだ地元名物のあやめ笠。
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 ろ舟遊覧運航は、1984年に、同市商工会青年部のメンバーが始めた。
 同市には、昭和30年代までは水路が張り巡らされていて、ろ舟は大切な移動手段だった。ろ舟遊覧は、そんな水郷潮来の古き良き風情を観光客にも楽しんでもらおうというものだ。 
 作務衣は、数年おきにリニューアルしていて、最新のものは、アヤメの花と葉の色をイメージした紫色とうぐいす色の2色。
 ろ舟には最大14人を乗せるなど、運航には体力も必要で、梅雨時期の蒸し暑さも重なって汗をたくさんかく。通気性の良い綿製にするなど機能面はもちろん、「素朴なろ舟の雰囲気に合わせて、控えめな色や柄を選ぶことも大事。みんなで意見を出し合って決めています」とは、娘船頭歴14年のベテラン眞家美早(みさき)さん(38)。
 ただ、女性たちらしく、着こなしはそれぞれに工夫している。眞家さんは花柄の地下足袋をはき、帯は「赤と黄色のリバーシブルになっているので、上の部分をちょっと折り曲げて裏面の黄色を出してもかわいいかな」。昨年デビューした新人の土子由香理さん(33)は、華やかな柄の靴下で雪駄(せった)をはく。首元の手ぬぐいは、作務衣の色に合わせてコーディネートしている。
 現在活躍している娘船頭は10人で、眞家さん、土子さんをはじめ、市の観光PRをする「水郷潮来あやめ娘」の卒業生が多い。
 観光客を乗せ、笑顔で舟を走らせる娘船頭の姿は、りりしく、あこがれたという。土子さんは、娘船頭になるために1年かけて猛特訓し、試験に合格した。娘船頭のユニホームを手渡されたときは「うれしくて泣いてしまった。今も宝物で、袖を通すたびに新たな気持ちになります」。「帯をしめると、気合が入る。潮来の伝統をこれからも守っていきます」と、眞家さん。





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