▲「リボン巻き」をしたスカーフが華やかな、グランドスタッフの羽成さん(左)と磯崎さん
茨城空港のグランドスタッフ
本県の空の玄関口、小美玉市与沢の茨城空港。国際線のチェックインカウンターで朗らかな笑顔で旅行客らに応対しているのが、空港内で働く「グランドスタッフ(GS)」たち。
GSの仕事は、チェックインや搭乗口での手続きをはじめ、客が飛行機に乗り込むまでのサポート全般。機上で勤務するキャビンアテンダント(CA)とともに人気の職種だ。
女性スタッフのユニホームは、ストライプの入った濃紺のベストに、スカートかズボン。ブラウスはピンク、グリーン、ブルーの3色で、首元にはブラウスの色に合わせたスカーフを巻く。CAの代名詞でもあるスカーフは、GSにとっても定番だ。
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ベストにはGSならではの特徴がある。左右の腰の位置と、左胸の位置にそれぞれポケットがあり、右の腰ポケットには内ポケットが2つあるため、合計5つものポケットがある。
同スタッフの羽成聡恵さん(33)、磯崎梓さん(28)のポケットの中身は、時刻表、その日のフライトの詳細を共有するための「ブリーフィングシート」、自作のあんちょこなど、情報をまとめたものでいっぱい。
乗り継ぎ先の便や、到着地の空港内のことなど、国際線のGSに求められる知識や情報は多岐にわたる。「さまざまな状況に即座に対応するために、多くの資料がしまいやすい機能的なポケットになっています」とは、通訳グループ長の坂口紀子さん(42)。
腕時計は、自前だが、ユニホームの一部といっていいほどの必需品。GSの一番の使命は、定刻通りの運航を安全にサポートすること。茨城空港の国際便は、上海、ソウル、台北の3便で、飛行機が到着し、次の目的地に出発するまでの時間は1時間。搭乗手続きを終えていない乗客を探して走ることもあるなど、「毎回、1分1秒との闘いです」とは、磯崎さん。日付や秒針が付いているアナログの時計が理想という。
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スカーフは、昔の戦闘機乗りが首に巻いていたことのなごりという説もある。防寒対策であり、けがをしたときは包帯の代わりや止血帯にもなる。現代は、CA流の巻き方がネットで紹介されるなど、ファッション性でも注目されている。「好きなのは、華やかでかわいい『リボン巻き』。スカーフを巻くと、気合も入る」と、羽成さん。