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新時代とともに 歌い手人生
▲水戸市で開かれたイベントで歌う木川さん。油に汚れた作業着は舞台衣装。泥だらけになって働く人たちを描いたデビュー曲に合わせて自分で決めたものだ
メジャーデビューした演歌歌手 木川 尚紀 きがわ なおきさん(行方市)
行方市の木川尚紀さん(22)は令和元年8月、テイチクエンタテインメント(東京)からメジャーデビューシングル曲「泥だらけの勲章」を発売した。
勤務していた会社は退社し、今はプロ歌手としてイベント出演や、CDを販売するためのキャンペーンで、県内外を飛び回る。デビューに合わせて東京に転居する話もあったが、同市を拠点に活動している。
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デビュー曲は、キャッチーな雰囲気の演歌だ。
同世代の大半とは違って、幼少のころから演歌が大好きだ。「演歌の大御所、三波春夫さん、三橋美智也さん、春日八郎さんがアイドル」と、まっすぐに話す。
歌うことも幼少時代から好きだった。近所の温泉施設のステージに上がったり、父親の行きつけのスナックでも歌った。エースを務めた高校野球部時代は、遠征先へ向かうバスでマイクを握った。練習後のピッチャーマウンドをステージにしたこともあった。
デビューのきっかけは、小美玉市で行われたアマチュア歌謡ショーに出演したこと。デビュー曲を作曲した花岡優平さんに見いだされた。
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デビュー後の日々は、起きてから寝るまでが初めて尽くし。修学旅行で乗ったきりだった新幹線は、西日本から東北へと乗り継ぐことも珍しくない。東京のテレビ局で、憧れの女優とすれ違って、「きれいすぎて息が止まった」。
サインを書くことや、握手を求められることもそうだ。
「始めは、僕のサインで喜んでくれるのが不思議で仕方なかった。今はとにかく、ありがたい」
地元を拠点にしたのは、家族を介護する必要があることが理由だった。
本音を言えば東京進出への憧れもあったが、この判断が正しかったことは、県内各地で応援してくれる人が増えていることが裏付けている。
観客の掛け声は歌うたびに威勢が良くなり、町で声を掛けられることも出てきた。12月に小美玉市で行う初めてのソロコンサートは、決定当初、600席という席数が巨大なプレッシャーになったが、すでに完売し、「夢のよう」。
3つの夢を掲げるに至った。「NHK紅白歌合戦に出演すること」「鹿嶋市のカシマサッカースタジアムで歌うこと」「ひたちなか市で開かれるロックインジャパンフェスティバルに演歌歌手として出演すること」だ。
「令和という時代が僕にくれた夢」と木川さん。