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タウンニュースARTICLE 一面記事

2020年1月6日号

昭和に国鉄で誕生 
  令和に湊線で人気

 

















▲ひたちなか市の船越知弘さん撮影の「キハ205」(昨年11月撮影)。「線路周辺の自然風景に溶け合うようなデザインが魅力です」と船越さん
 

▲キハ205の車内で、エンジンや変速機について解説する野村さん。「馬力はあまりありませんが、よく頑張ってくれています」

ひたちなか海浜鉄道「キハ205」(ひたちなか市)

  ひたちなか市のひたちなか海浜鉄道湊線の車両「キハ205」は、1965年製造。旧国鉄時代に製造された気動車「キハ20系」の車両の1つで、今では国内唯一の現役だ。昭和、平成、令和と時代を超えて走り続ける車両は、同鉄道一の人気者。走る日は、乗客も、線路脇で待ち構えるカメラマンの数もぐっと増える。
             ◇
 キハ205は、旧国鉄を経て、JR西日本で活躍し、その後、岡山県の水島臨海鉄道を走り、96年、第3の“人生”の場所としてひたちなか海浜鉄道にやって来た。ワンマン運転ができるように改造され、2年後に、現在のトレードマークのオレンジ色とクリーム色の「国鉄色」に塗装された。
 車内には、懐かしい青色シートのボックス席が並ぶ。窓は、左右のつまみをつかんで開閉するスタイル。扇風機は、車内に手動のスイッチがあり、乗客が操作する。ボックス席の窓側には栓抜きがついている。
             ◇
 ファン層は、キハ205とともに走り続ける昭和生まれの人たちだ。
 同鉄道の市民応援団「おらが湊鐵道応援団」のメンバーで、ほぼ毎日同鉄道の列車を撮影しているひたちなか市の船越知弘さん(53)は、「乗れば懐かしいエンジン音、油のにおいが心地いい。線路脇でカメラを向ければ、少年時代の記憶を呼び起こしてくれます」。
 船越さんが列車を撮影し始めたのは2007年。最初の1枚の被写体は、キハ205だった。「末長く、たくさんの人々の笑顔と心を運んでほしい」とエールを送る。
 「若者たちからも人気なんですよ」とは、同社管理課の野村徹さん(28)。学生の鉄道研究会からの見学や貸切運転の希望では、キハ205を指定される場合が多いという。先日、キハ205を指定した東京から来たグループの中の1人に、「音鉄(おとてつ)」がいた。音鉄とは、鉄道の音を楽しむ人たちのこと。キハ205のエンジン音が高まる登り坂では、声を潜めて、録音機をまわしたという。
 車両は3年ごとに定期検査をしていて、昨年検査を無事に通った。現在は、土、日曜に那珂湊駅から勝田駅間を1往復走るほか、イベント時などに登場している。走行予定については、同社ホームページに掲載される。




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