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2020年1月23日号

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 裏に大人たちの愛

 


















▲給食のソフトめんを喜ぶ宍戸小の6年生。あっという間に平らげる子も(1月14日撮影)
 

▲橋本屋が製造したソフトめん。量によって、4種類ある

給食のソフトめん(笠間)

  懐かしの給食の献立の一つ、「ソフトめん」が姿を消しつつあるという全国ニュースを目にして、取材に行った。学校給食の現場で、昔と何ら変わらぬ人気ぶりを目にした一方、子どもたちの笑顔を支える大人たちの愛と苦労も浮かび上がった。
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 笠間市立宍戸小学校6年1組。14日の給食のメインは、ソフトめん。麺を入れる汁は、ひき肉や野菜がたっぷり入ったみそ味。
 給食が始まると間もなく、笑い声とともに麺をすする音が聞こえてきた。??原悠月君は、ソフトめんを袋の上から、手で4つに切り分けてから汁に入れた。「こうすると、汁があふれないし、麺ものびないよ」と、得意げに話した。
 1組で聞いた給食の人気ベスト3は、揚げパン、カレー、ソフトめん。荒井晴道君は、「麺の料理は特別感がある。今日も楽しみだった」と、笑顔で平らげた。
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 ソフトめんの正式名称は、「ソフトスパゲッティ式めん」。学校給食用に開発された麺で、県学校給食会によると、本県には昭和38年から登場した。
 蒸してからゆでるのが特徴で、やわらかく、良い食感が長続きするという。現在は、製麺技術の向上で、ゆでるだけでその味わいが出せるようになるなど進化している。
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 一方で、製造業者が減っている現状も聞いた。ソフトめんを製造する老舗「笠間ソフトメン橋本屋」社長の石上渉さん(42)によると、県内の製造業者は以前は16社ほどあったが、現在は8社。
 背景には、米飯給食の拡大でソフトめんの提供回数が減ったこと、少子化による児童数の減少などもあり、経営環境が厳しい現状がある。4年前には大手の企業が廃業、水戸市などで一時ソフトめんが給食のメニューからなくなった。
 「子どもたちの喜ぶ顔が見たいから」と、石上さん。橋本屋では、ソフトめんを配達する日は午前4時から作業を始める。麺は、分量別に1・2年生、3・4年生、5・6年生、中学生と教諭用の4種類があり、蒸気殺菌をした熱々の麺を、クラスごとの箱に人数分を入れて配達している。
 同じ製法で、市販用のソフトめんを作って販売する会社もある。石上さんは、「一目見ると、教室での思い出もよみがえってくる。給食の時間をソフトめんで豊かにできたら幸せですね」。



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