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タウンニュースARTICLE 一面記事

2020年2月20日号

変わらないから良い
  現代風も魅力的

 


















▲エミールのお子様ランチの一つ「ひこうき」
 

お子様ランチ(鹿嶋、水戸)

 鹿島神宮の大鳥居に続く門前通りにある喫茶店「エミール」(鹿嶋市宮中)は、飲み物や料理を汽車の模型が運んでくることで有名だ。模型はGゲージなどと呼ばれる本格的なもので、汽笛の音も高らか。
 同店のメニューに見つけたのが、昔ながらのお子様ランチだ。お子様ランチといえば昭和の時代に、「家族でデパートに行ったときは、必ず食べていた」という人は少なくないはず。時代が変わり、経済事情や、子どもの数も変わり、お子様ランチの存在を意識する機会は減ったが、ここではしっかり“現役”だった。

 同店では、5種類のお子様ランチを用意している。スパゲティ、ハンバーグ、デザートがそろう「ひこうき」のほか、「ふね」「じどうしゃ」「スペースシャトル」「ユーフォー」と、名前もかわいらしい。値段は各650円。定番と思われた紙の国旗が立っていないのは、「お子さんが口に入れてしまっては危ないので、ずいぶん前にやめました」と、店主の山辺慶和さん(52)。
 同店は、1967年に開店した。77年に汽車を取り入れたのは、子どもの客を大切にしたいという姿勢から。店の隅には子どもたちが遊べるスペースも用意してある。
 5種類のお子様ランチは、遅くとも77年にはそろっていて、以降、紙の旗の有無以外は、何も変わっていないという。これも子どもの客を大切にする姿勢の1つだが、喜ばせているのは、子どもたちだけではなさそう。
 同店での食事を、鹿島神宮の参拝とセットにしている客は多く、参拝は、一度きりでないことがほとんど。かつて両親に連れられてお子様ランチを食べた人が、親になって子を連れてくることも多い。だいたいは、当たり前にお子様ランチを注文する。数十年ぶりだったという客が、懐かしさの余りに泣き出してしまったこともあった。
 「変わらないということにも価値があるように思っているのです」と山辺さん。

▲エミールで食事を運ぶ汽車模型

 
 水戸市酒門町の洋食店「ウオカネ」では、現代風のお子様ランチに出合えた。
 見た目は定番に近いが、規格外の大盛り。大食漢の子ども向きではないのは、「大人のお子様ランチ」(1310円)という名前から分かった。同店の荒井由美子さん(60)によれば1年ほど前、常連客の要望に応じて、いろいろと盛り合わせた結果、お子様ランチのようになり、仕上げとして旗を立てたという。
 「体の大きな男性がこれを食べているとほほえましくて。今では、うちの看板メニュー」と荒井さん。

▲ウオカネの「大人のお子様ランチ」



















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