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春の便りをあの人に
心を伝える絵手紙をかく
日一日と暖かさが増してきた。桜の花が一輪ほころんでいたり、土手にツクシが顔を出していたり、小さな春を見つけた喜びは、思わずだれかに伝えたくなるもの。「メールや写真もいいですが、絵手紙にするのもいいものですよ」とは、日本絵手紙協会公認講師の糸井由紀子さん。
絵手紙はヘタがいい
糸井さんが初心者に教える絵手紙の心得は、3つある。
1つ目は、「絵手紙はヘタでいい ヘタがいい」。「ヘタ」とは、ひとりひとりが持っている自分らしさの意味。集中して全力でかいたものであれば、どんなにヘタでもいい。「だんだんと、『ヘタがいい』の境地が理解できるようになります」
2つ目は、「自然がお手本。実物をよく視(み)る」。絵手紙は、手本を見てかいたうまさより、その人らしさの出た「ヘタ」を大切にする。自然界にある実物を手本に、手でさわったり、香りをかいだり、ときに切ったりして、よく視ること。「力強さを肌で感じ、自然からパワーをもらうことも多いです」
3つ目は、「下書きなしの一発勝負」。絵手紙は下書きはしないでかく。大切なのは「心のドキドキを表現すること」。線はゆっくりかくことが大事で、目安は、10cmの線を1分ぐらいかけてかく。ふるえたり、太くなったり、かすれたりが味になる。
「絵手紙は心を伝える手紙。上手になってから出すより、ヘタでもタイムリーに。受け取ってくれる人の幸せを感じながらかいて」
【1】題材の選び方
身近なものから見つける。上の煮干しの絵手紙は、草花の少ない冬にかいた。思い出の品をかくのもいい。糸井さんは、40年愛用したアイロンを処分前に感謝を込めかいたことも。
【2】かき方、色のつけ方
墨で輪郭をかき、顔彩(絵の具)で彩色する。はがきからはみ出すようにかくこと、全部を染めず、塗り残しをつくることがポイント。割りばしやつまようじ、小枝なども筆代わりになる。
【3】言葉のいれ方
絵に合わせた言葉でもいいし、関係のない文言でもいい。面と向かって伝えるのは照れくさいことでも絵手紙だと伝えやすい。仕上げに朱色の印を押すと全体が引き締まる。
【道具はホームセンターなどで】
基本の道具は、はがき(画仙紙)、すずり、青墨、筆(線がき用、色つけ用)、顔彩など。道具は、文房具店やホームセンターなどで販売されている。インターネットでも購入できる。