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タウンニュースARTICLE 一面記事

2020年5月21日号

ただ坐(すわ)るだけでいい





























▲坐禅する小原さん。腰の下には、坐蒲(ふ)と呼ばれる専用の座布団が置かれている

 

ー 坐禅 祇園寺(水戸) ー

 コロナ禍の中でも、できる限りは穏やかに過ごしたいもの。新シリーズは、私たちが、無理なく暮らしに取り入れることができる“穏やかさを保つ術”を探る。一回目のテーマは坐禅(ざぜん)。定期的に坐禅会を開いている水戸市八幡町の禅寺、祇園寺を訪ねた。副住職の小原智弘(ちこう)さん(37)は、「私たちの曹洞宗がとらえる坐禅は、目的を持って取り組むものでなく、単なる暮らしの一部。だが、その結果として心を整えたりすることはある」と話した。

  ■基本も自由もある
 小原さんが説明した坐禅の基本姿勢は、次の通り。
 足は、あぐらの形から、右足先を持って左足太ももの付け根にのせ、逆も同様に。手は下腹部の前で右手を下にして重ねる。背筋を伸ばして、目は半分だけ開けて、目線は1<CODE NUMTYPE=SG NUM=5EB5>ほど先の畳や床などに置く。
 時間は5分からでいい。よく言われる“心を無にする意識”は、持たなくていい。「その意識が雑念になることが多いから」だと言う。
 だが、ここまで話して小原さんは、「基本にとらわれる必要はない」ときっぱり。足はあぐらでもいいし、いすに座ってもいい。「例えば、昼休みに立ち寄った公園のベンチでも坐禅はできる」とも。
 突き詰めれば、坐禅とは、「ただ、坐(すわ)ること」だという。
 「安定した姿勢で、ただ坐ることに努める。続けているうちに、思いがけずに長い時間が過ぎていることがある。それは、坐っていることに集中していた証で、無になっていた証でもある」。多くの場合、心が晴れたような思いが伴い、私たちが願う穏やかさを保つことにもつながるという。

  ■いつでもどこでも
 坐禅を習慣にする人の中には、嗜好(しこう)品を楽しむのと似た感覚で取り組んでいる人もいるという。誰にでも不安になったり、嫌になったりすることはある。そんなとき、嗜好品で気持ちを紛らわすのは理解しやすい。同じように、静かな場所を見つけて、いすに座って短い坐禅をする人がいるという。
 小原さんは、「目的を持たないという曹洞宗の坐禅の考え方とはずれるが、坐禅を生活の一部にするための入り口としてはいいと思う」とうなずいた。

【メモ】 同寺の坐禅会は第1、3日曜に開催しているが、現在は新型コロナウイルスの感染拡大防止のために休止中。再開日は未定。同寺TEL.029・221・5229。

祇園寺で使用している坐蒲。家庭では折り畳んだ座布団で代用できる



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