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タウンニュースARTICLE 一面記事

2020年6月4日号

新茶を味わう

















▲直売所前の茶畑で笑顔をそろえた高安さん夫婦




















▲茶園ではみずみずしい若芽が伸びる。「作柄は上々」と藤田さん
 

ー 城里・大子の茶園 ー

 新茶の季節がやってきた。新茶は、その年の新芽で作ったお茶のことで、「一番茶」とも。さわやかな香りと味を楽しめば、心もほっと癒やされそうだ。身近な茶どころ、古内(ふるうち)茶の城里町と、奥久慈茶の大子町に共通するのが、規模の小さい工場がそれぞれのこだわりで茶を生産していること。“お茶ソムリエ”気分でいろいろなお茶を楽しめるのは、地元ならではの特権。両茶どころから一軒ずつを訪ねた。


 古内茶を製造販売する城里町下古内の「高安園」は、工場前に直売所を設けている。
 店舗前に設けたテーブルには「新茶販売開始」との手書きの看板。今年は、5月中旬に新茶の販売を始め、7月末までがシーズンになる。
 同園は、創業約50年で、10軒前後の茶園がある古内茶の産地でも歴史は古い。製品は、香り高く、うま味が豊かなお茶が、3煎(せん)目以降も楽しめるのが特徴。秘密は、深蒸し茶と、浅蒸し茶を丁寧にブレンドしていること。蒸しは、深いほど味が出やすくなる反面、失われやすくもなるという。
 直売所は、客らのおしゃべりの場でもある。今年は、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、扉を開け放ち、いすの間隔も広げている。
 テーブルには、同園の高安智子さん(60)が入れた濃いめのお茶と、梅干し、きゃらぶき、ワラビの煮物などがずらり。すべてお手製だ。「田舎料理だけど、好評なんです」と社長の高安達夫さん(同)。同園TEL.029・288・4801。
     ■
 大子町初原の「清水園」は、3代目の藤田宏之さん(55)が経営する茶園。工場と直売所を併設していて、今年の新茶は5月11日から販売開始。7月中旬までがシーズンだ。
 藤田さんは、奥久慈茶を生産する奥久慈茶業組合(35人)の組合長も務める。「自分がうまいと思う味を追求しながら、各園が切磋琢磨(せっさたくま)しています」
 清水園のこだわりは「鮮度」と、「蒸し方」。新芽は摘んだ後すぐに加工してその魅力を最大限に生かす。お茶は、蒸し時間の長さによって一般的に「普通蒸し」から「深蒸し」まであるが、藤田さんは、ちょうどその中間の味を目指している。蒸す時間は秒単位で設定する。「目が離せません」
 今年は遅霜の影響がなく、作柄は上々という。忙しさから、この時期は体重が5kg落ちるという藤田さん。「でも、おいしいお茶を届けられるのはうれしいこと。ほっと安らいでもらえたら」。同園TEL.0295・78・0538。




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